八つ当たり外交 2013 3 3

 中国が制止したにもかかわらず、
北朝鮮は、3回目の核実験を行いました。
 中国としては、北朝鮮から、無視された上に、
何回も、メンツをつぶされ、怒り心頭でしょう。
そうした「やり場のない怒り」が、たまると、どうなるか。
 2013年3月2日の産経ニュース電子版には、このような記事があります。
「中国の人民政治協商会議の報道担当者は2日、
尖閣諸島をめぐる日中対立で、
『自衛隊の艦艇や飛行機が中国の正当なパトロールを妨害し、
(武力)衝突が起きた場合、その責任は全て日本が負わなければならない』とし、
強硬姿勢を改めて示した。
(引用、以上)
 中国にとっては、尖閣諸島の問題よりも、
北朝鮮の核武装問題の方が、はるかに深刻な問題です。
 もし、北朝鮮が、核兵器を保有すれば、
韓国も、核兵器を開発するでしょう。
そうなれば、日本も核武装を始めるでしょう。
台湾だって、技術的には、核兵器開発が可能です。
 北朝鮮にしてみれば、
核ミサイルを北京にも打ち込むことができるようになるので、
外交の幅が、いっそう広がります。
北朝鮮が得意とする「瀬戸際外交」に、さらに磨きがかかるでしょう。
 このように、常識で考えれば、
中国にとっては、尖閣諸島の問題よりも、
北朝鮮の核武装問題の方が、はるかに深刻な問題です。
中国は、日本に対して、八つ当たりをしている場合ではないでしょう。
 さて、多くの日本人は、中国の外交に疑問を感じています。
中国は、日本に対しては、強気の外交を繰り広げるのに、
なぜ、北朝鮮に対しては、いつも「弱気」なのか。
 こうした素朴な疑問が解けない限り、
なかなか日中友好は、進展しません。
 2013年2月28日の日経ビジネスオンラインには、このような記事がありました。
今度こそ本気の韓国の「核武装論」、日本の核武装も認め、米国への言い訳に。
 韓国で核武装論が盛り上がる。
北朝鮮が3回目の核実験を実施したうえ、韓国への「核恫喝」に乗り出したからだ。
「日本の核武装を認め、自国の核保有のテコに使おう」との意見さえ韓国には浮上した。
(引用、以上)
 中国は、八つ当たり外交をやっている場合ではないでしょう。
日本と中国は、政治的には対立しても、経済は密接に結びついています。
 それに比べたら、朝鮮半島は、
いったん火が付いたら、収拾がつかなくなるでしょう。
 中国は、朝鮮半島の問題は、
アメリカが、最終的には、何とかするのではないかと思っているかもしれません。
 しかし、それは、大きな間違いです。
万が一、また朝鮮戦争が起これば、アメリカは、さっさと撤退するでしょう。
アメリカは、内政問題で忙しく、とても朝鮮戦争にかまっている余裕はありません。
日本の世論は、李大統領の「竹島上陸問題」で、すっかり「しらけムード」になっています。
 日米とも、自国民を救出して、
「後は、中国、北朝鮮、韓国で、頑張ってくれ」ということになるでしょう。
 それが韓国にはわかっているので、
必死に自衛手段を考えているところでしょう。

併用戦争 2013 2 24
 私は、2012年7月29日に、
「東京に核ミサイル」という文章を掲載しましたが、
これは、あくまでも近未来のシミュレーションです。
 現在、北朝鮮には、
核ミサイルの「再突入体」を作る技術はないので、
「東京に核ミサイル」は、まだ先でしょう。
 ただし、中国が、こうした技術を北朝鮮に提供すると、
「今、そこにある危機」となります。
 さて、当面、予想されることは、こういうことでしょう。
たとえ、「再突入体」を作れなくても、核兵器は有効に使えます。
 事実上の国境付近で、核兵器を高空で爆発させれば、
強力な電磁波が発生し、地上の電子機器は、死滅します。
 ローテクの北朝鮮は影響が少ないでしょうが、
ハイテク国家の韓国では、電子機器の死滅は、ハイテク兵器の死滅を意味します。
韓国社会も大混乱に陥るでしょう。
 そうしておいて、北朝鮮は、地上軍を侵攻させるでしょう。
北朝鮮には人権はありませんから、
強い放射線の下での進軍は、何ら問題はありません。
 通常兵器に限定した戦争では、韓国軍が圧勝するでしょうが、
核兵器と通常兵器を同時に使用する戦争では、韓国軍は敗退するでしょう。
 このように通常兵力で劣る場合は、核兵器を併用する手法があります。
もちろん、強い放射線の影響を考慮する必要がありますが、
独裁国家の場合は、人権がありませんから、
こういう戦法が使えるのです。
 今、韓国では、北朝鮮に対して妙に自信を持っていますが、
前線で核兵器が使用された場合の訓練は、考えているでしょうか。
 歩兵は壊滅しますが、戦車は意外に機密性が高く、
強い放射線の下での進軍が可能です。
もちろん、電子機器の部分は大きなダメージを受けるでしょう。

弾道ミサイル 2012 7 29

書名 東京に弾道ミサイル! 核災害で生き残れる人、生き残れない人
著者 高田 純  オークラNEXT新書

 「永田町から首都の壊滅を見ることになるとは。
これが1945年以来、平和を希求してきた日本の結末なのか!」
 地下鉄の通路を駆け上がって急いで地上へ出た、
政治部記者の平岩は絶句した・・・・・。
国民保護警報が鳴り始めてから、わずか1分後だった。
 20キロトンの核ミサイルが、
赤坂にある全日空ホテルの上空600mで爆発したのである。
 イージス艦は、20発のミサイル発射を確認。
そのうち、10発が弾道ミサイル。
残り10発のミサイルは、巡航ミサイルで、
日本海に展開していた日米の艦船に向かった。
 最高高度300kmから放物線を描いて落下する核弾頭を含む再突入体は、
速度をぐんぐんと増し、音速の8倍となって大気圏に突入してきた。
 市谷にいた部隊は、天空から高速で落下してくる10個の再突入体へ向けて、
16発の迎撃ミサイルを、次々に発射した。
 しかし、もととも個々の命中率が10%以下と低い上に、
敵の弾道ミサイルが近距離から発射されているために、
迎撃の時間が極端に限られていること、
さらに多数のおとりの再突入体のために、
自衛隊の迎撃は失敗に終わった。
(以上、引用)
 「1945年以来、平和を希求してきた」と言うけれど、
その間に、日本は、核武装国家に囲まれてしまったと言ってよいでしょう。
 後世の人たちは、
「日本は、平和ボケで、ぼんやりしていた。
だから、また被曝国になってしまった」と言うでしょう。
 現在、国民の間には、
「日本は、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だ」という、
またもや安全神話に浸りきっていますが、
それは、自分の見たい部分だけを見て、
見たくないものは見ないという少女漫画の世界と言ってよいでしょう。
 何度も何度も書いていますが、
ミサイル防衛システムは、技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
 最も実用的で、結果的に安上がりな対応策は、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、
自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
少なくとも巡航ミサイルは開発すべきでしょう。
 さて、この本では、導入部分は、小説風になっていますが、
第1章以降は、学術的なものとなっています。
 しかし、一般の人にもわかりやすく書いてあります。
それは、核爆発の際の「生き残りマニュアル」となっているからです。
 さて、中東において、
核武装国家に囲まれるのではないかという、
将来の不安を感じているイスラエルは、どうしているのか。
 イランが核武装すれば、エジプトも、サウジも、トルコも、
次々と核武装を始めるでしょう。






















































































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